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子どもの視力の特徴

視力検査でよく目にするアルファベットのCに似ている「ランドルト環」を使って

遠見では5m、近見では1/3mの距離で、この隙間が開いている方向が分かるかどうかで判定します。 大人では可能ですが、子ども、特に幼児ではできないことがあります。

ランドルト環

幼児の視力の特徴と検査時に大切なこと

*3歳未満の幼児では、絵指標(絵指標の写真を提示)で実測する

・絵指標のコピーを渡し、家で練習する

・子供によって表現が違う(家族に聞く)

 例:犬(犬以外に、わんわん、猫、馬など)

*注意力の持続時間は短い

 できるだけ短時間で要領よく

*検査結果が良い時と悪い時がある

*視標が遠くなると集中力が続かないので、2.5mや3mで測定

*視標を画面に一つ出す方が視力は良い

*眼鏡枠が目の前にあると嫌がるので、まず両眼での視力測定を優先

 可能であれば 片眼  

*後で測定する目の視力が悪い子や、いつも左右差のある子は検査する目の順番を変える

絵指標

最も大切な事:子どもと1番長く接している親の観察と協力が大切

検査員は、正確で信頼できる結果を得るには、子供と友達になること

視力測定のできない子のチェックポイント

*検査した屈折度(遠視、近視、乱視)の数値に左右差がない

*固視できている:しっかり見てくれる、交互に目を隠しても嫌がらない

*追視できる:目で指標を追いかけて見てくれる

*斜視がない

4つのポイントをパスしていれば、

「目のカメラで撮影した画像を脳のモニターに左右差なく伝えているので見る力は順調に育っていく可能性が高い」

眼鏡を処方されたら

脳で見る力が育った大人は、近視などで視力が低下した時でも、眼鏡を使うとすぐに見えます。しかし、成長過程にある子供は、眼鏡を使ってもすぐには見えません。

目(顔)の前にある邪魔な道具としか思わないので、ほとんどの子が最初は喜んでかけてくれません。

見る力が成長していき「眼鏡をかけると、見える」と分かってくると、自然と使ってくれるようになります。 眼鏡をかけてくれるまで、親は叱らずに、子どもに根気よく付き合い、時にはご褒美をあげながら、徐々に装用に慣れさせてあげてください。

子供の斜視・弱視
が心配

子どもは年齢が小さければ小さいほど、大人のように正確な検査ができません。眼科受診時は平常時と雰囲気が違うので、本来の斜視が隠されてしまうことがあります。その点、ご家族は接している時間が長いので、少しでも斜視(目つき)が気になったら、写真を撮影して、受診時に持ってきてください。できればフラッシュをたいて撮影すると、目の視線と一致して光点が写りますので、より判断しやすくなります。

また、成長途中にある乳幼児では「見えない」と言いません。その子にとってのその見え方が、他の子の通常と同じ感覚なのです。日常生活でも周りは「その子が見えていない」と気がつくことは少ないです。 気になることがもしもあったら、何でも眼科医と相談してください。

乳幼児視力(大人用視力表での検査は困難)

絵指標
リーグレーティング法
遊び感覚で視力検査を行う

機器を用いた検査法

3歳〜大人
一度に5種類の測定が可能
6ヶ月の乳幼児から
3秒で計測可能
板付レンズ
検査技術

子どもの近視

子どもの近視の進行を、できるだけ防ぎたい方へ

近年、子どもの近視の割合が非常に増えています。子どもの近視は、年齢が低いほど進行が速く、近視が低年齢で発症すると強度近視になるリスクが増加します。

近視の進行を抑えるとされている方法

(1)マイオキッズ(特別な眼鏡)
(2)低濃度アトロピン点眼薬
(3)オルソケラトロジー(特殊なコンタクトレンズ)
 

マイオキッズとは?

ZEISS社のマイオキッズは、子どもたちの解剖学上、視覚的ニーズに合わせて設計された特別な眼鏡レンズです。
 

低濃度アトロピン点眼薬とは?

アトロピン低濃度点眼薬は、超低濃度のアトロピンを点眼することにより、近視の進行スピードを効果的に抑える可能性があります。また、アトロピン1%点眼薬で起こりうる、不快な副作用である、まぶしさと強い光による不快感や目の痛み、近くの物がぼやけて見えるなどの問題を回避します。
 

オルソケラトロジーとは?

コンタクトレンズを就寝時に着けて、近視を矯正する「オルソケラトロジー」という新しい治療法があります。特殊にデザインされた高酸素透過性コンタクトレンズを就寝時に装用して近視を矯正するという方法です。
レンズをつけるのは寝ている間だけなので、日中は裸眼で快適に過ごせます。
アメリカでは30年以上前から研究・処方され、日本でも2009年から厚生労働省に承認されております。

オルソケラトロジーによる近視矯正の仕組み

眼は入ってきた光を網膜上で焦点を合わせることで像としてとらえます。近視の場合は、この焦点が網膜より手前で結ばれるために像がぼやけて見えます。
オルソケラトロジーレンズを装用することにより、角膜の形状をやや平たん化させて光の屈折を変え、焦点が網膜上で結ばれるようにします。
レンズをはずしても一定期間、角膜の形状を保つことが出来るため焦点は合ったままとなり、日中は十分な裸眼視力が維持されます。

レンズの使い方

  • レンズは寝る前につけて、朝起きたらはずします。
  • 取扱方法扱いは従来のハードコンタクトと大きな違いはなく、特別な知識や技術は必要ありません。

オルソケラトロジーの特徴

1. 日中裸眼で生活できます。
寝ている間にコンタクトレンズを装用することで、角膜の形状を安定させ日中裸眼で生活することができます。睡眠時間が短いと矯正する力が弱まります。
2. 装用をやめれば角膜形状は元に戻ります。
手術とは異なり、中止すれば形状が元に戻るので安心です。
3. 慣れるまで多少お時間が必要です。
形状が安定するまで1週間程度お時間がかかります。

オルソケラトロジーに向いている人

  • 軽度から中等度までの近視の方
  • 日中裸眼で過ごしたい方
  • お子様の近視進行を防ぎたい方
  • レーシックなどの手術には抵抗のある方

その他注意点

  • 本治療は保険の対象外、自由診療です。
  • 医療費控除の申請が可能です。当院から発行した領収証は大切に保管してください。
  • 定期検査の受診が必要です。
  • 異常を感じた場合はレンズ装用を中止して、速やかに受診してください。
  • 治療を受ければ誰でも視力が回復するわけではないことをご理解ください。

〈 オルソケラトロジー治療の流れと費用は こちら → 〉

子どもの眼鏡で
よく聞かれる話

子どもが眼鏡をかけてくれない時の対処法

乳幼児の眼鏡は、視力を育てる眼鏡です。まだ成長過程にある子どもでは、眼鏡装用直後では全く見え方は上がりません。更に、目の前・耳の上・ヘヤーバンド式ですと頭の上や後ろに違和感があるので、多くの子どもはいやがります。

装用してくれたら、ご褒美をあげることで徐々に慣れてもらうようにしましょう。眼鏡を装用し「見える」ことを実感できると、自然と装用してくれるようになります。

子どもの眼鏡の装用開始時は、なかなか眼鏡をかけてもらえずに、親と子の我慢比べも多いようです。子どもに根気よく付き合ってあげて、徐々に装用に慣れさせてあげてください。

子どもの眼鏡はどこで買えばよいか

眼鏡店は老舗店やチェーン店などさまざまありますが、子ども用眼鏡の取り扱いがあるところをお選びください。中でも、乳幼児用の眼鏡枠は、子ども眼鏡を専門に取り扱っている所をおすすめします。乳幼児は顔の形状から鼻あてや耳の部分の調整が難しいので、乳児用の眼鏡枠を売っている店を選ぶと良いでしょう。

大人にくらべて子どもの視力は変わりやすいので、すぐに度数が合わなくなることも考えられます。また、小学生はメガネの扱いに慣れておらず、動きが活発なので、壊れることもしばしばあります。

また、予備(スペア)の眼鏡を作成しておくと、便利です。日本で作成するレンズにはUVカットされるようになっています。

小学生の子どもにぴったりなメガネの選び方

小学生のメガネを選ぶとき、チェックしておきたいポイントをまとめました。

子どもの意見も取り入れつつ、快適に使用できるメガネを選びましょう。

軽くて丈夫な素材のもの

子どもは動きが活発なので、軽くて丈夫な素材のフレームを選びましょう。

レンズもプラスチック素材ですと、落としても壊れにくくおすすめです。

レンズはUVカットや指紋が付きにくい素材などがあり、店舗によってはオプションで選ぶことができます。

フィット感がよくデザイン性のあるもの

毎日使用するので、フィット感も大切です。

耳にかける、つるの部分や鼻のパット部分などがフィットしているかをチェックしてもらいましょう。

正しくメガネをかけることができなければ、きちんとした視力が出ません。

また、スポーツをしている子どもにはスポーツ用メガネもおすすめ。

水泳のゴーグルのように頭の後ろをバンドでとめるタイプや、鼻や耳の部分に激しく動いてもずれにくい素材が使われているメガネなどがあるので、選択肢に入れるとよいでしょう。

保証が充実しているもの

子どもは視力が変わりやすく、メガネの扱いも慣れていません。

そのため、購入後すぐに修理が必要なことも。

いざというときに備え、保証期間がどのくらい設定されているかを確認しましょう。

また、保証内容や保証回数などもチェックしてください。

乳幼児の眼鏡は、いつ頃まで使いますか?

矯正視力が成育し、斜視が矯正され、遠見&近見の両眼視機能が大人並みに成育するまでは、できるだけ長い時間や期間装用します。

学童期になっても本人が日常生活で装用した方がよければ、中止する必要はありません。

眼鏡をかけ始めると、どんどん近視は進みますか?

「かけ始めると近視が進む」ということはありません。子ども達は自分の目で見る力が大きいので、眼鏡を外した時に「がんばって見る」ことで近視の度数が強くなります。

また、初めての眼鏡は「クラクラして見える」ということもあり、やや弱い度数から開始します。少しずつ度数をアップして、楽に見える眼鏡にしますので、眼鏡の度数(数値)は少しずつ上げていきます。

視力が片目1.2、他眼0.3でも眼鏡は必要ですか?

幼児・学童期では、眼鏡処方し、装用の指示をします。日常生活への支障は訴えませんが、両眼視機能が成育せず、大人になって斜視になり、眼精疲労の原因になります。視力の良い1.2の方の目を遮閉して、悪い0.3の方の目だけで見る、弱視訓練が必要なこともあります。

中学生以降では、眼鏡なしで、片目で遠方、他眼で近方が見えるので非常に便利です。眼鏡装用した方が視機能はよくなり、眼精疲労や頭痛が出にくくなります。