目だって風邪ひくよ

アデノウィルス性結膜炎

1.原因

アデノウイルス感染により引き起こされる角膜と結膜の急性炎症で、成人ではアデノウイルス8、4、37、19、3型などがあります。特に8型は伝染性が強いです。
ウイルスは細菌より小さな目に見えない微生物です。このアデノウイルスは直径約80nmの正20面体で、上気道感染症や消化器感染症も起こし、特殊なウイルスではなく、どこにでもいるウイルスです。
アデノ3型は夏風邪、4型はプール熱を起こします。いわゆる、角膜と結膜のウイルスによる風邪ひきみたいなものです。体や目の抵抗力が低下し、ウイルスに負けると発症してきます。グラム陰性桿菌などの細菌混合感染を合併すると症状はひどくなります。

2.症状

潜伏期間(感染してから発症までの期間)は、7〜14日。ですが、もっと早く発症する人もいます。
自覚症状:眼球結膜(白目)の充血、瞼の腫れ、涙、眼脂、痒み、異物感など様々です。初期では、流涙と異物感が主です。偽膜形成すると、角膜障害が強く、開瞼不能になります。
他覚的所見:眼瞼及眼球結膜の充血や濾胞や乳頭形成が見られ、耳前リンパ節の腫脹を伴う事があります。

3.診断

結膜擦過物のアデノウイルスの診断が重要です。蛍光抗体法、PCR-RFLP法およびPCR-sequence法があります。アデノチェックで診断が簡便化され、陽性率70%、第5病日までの陽性率が高いです。 学校保健法では登校停止です。

4.治療

  • ウイルスを直接殺す特効薬はありません。
  • 症状を和らげるためと雑菌対策として抗菌剤と非ステロイド消炎剤を点眼します。
    従って点眼しても急には治らないし、症状が治まるまで1〜2週間かかります。
  • アルコール消毒効果は低く、ヨード剤が有効とされています。
  • 偽膜除去

治療のお助け対策として、

  1. 体の抵抗力が低下している時に発症し易いので、ウイルスに対する抵抗力をつけるために風邪同様に体を休める。
  2. 他の人への伝染の危険もあることから、思い切って仕事を休むこと。
  3. 目に触れた後の手洗い施工し、雑菌感染しないこと

が大切です。

よく似た結膜の炎症

1.急性出血性結膜炎

アポロが月に行った頃に流行したこともありアポロ病とも呼ばれるが本当でしょうか。エントロウイルス70型の感染により発症します。潜伏期間が非常に短く、感染後1〜2日で劇的に発症する。派手な結膜下出血を伴った目やに、眼痛、灼熱感などが出ます。

2.トラコーマ,クラミジア結膜炎

以前はトラコーマという病名で眼科受診する眼疾患の代表でしたが、テトラサイクリン系の治療薬で撲滅されたと思われていました。しかし、原因であるクラミジア科のC.trachomatisは、呼吸器疾患、泌尿器、生殖器にみられる性感染症として注目されており、結膜炎も着々と増加しています。トラコーマ(A~C型)と、性感染症(D~K型)は血清型が異なります。

新生児は妊婦の産道で感染し、分娩の5~12日後に眼脂、眼瞼の腫れ、充血などで急性に発症します。細菌感染の合併で角膜穿孔する恐れがあり、1ヶ月後には咽頭炎や肺炎を併発する事があるので、産科・小児科との連携が大切である。大人では大きな濾胞性結膜炎を起こし、眼脂が多く、角膜に血管侵入や上皮混濁を起こしてきます。 性感染症(尿道炎や子宮頸管炎が多い)の自覚症状は乏しいが、抗菌剤やステロイド剤の点眼で難治性の目やにの多い結膜炎の場合には本疾患を考え全身治療も必要となる。

3.花粉症

4.ものもらい(麦粒腫)

眼瞼の腫れや目やにの代表疾患として麦粒腫=瞼にある油の腺の細菌感染によるできもの(急性化膿性炎症)がある。同じ瞼にできる霰粒腫=ふきでもののようなもの(慢性肉芽性炎症)もある。この霰粒腫の急性に化膿してくると麦粒腫に似て、瞼が腫れ、目やにや痛みを伴う。結膜にも細菌感染が発症し、結膜炎同様の症状が出たり、早期には瞼が腫れぼったく、ゴロゴロ感、目やにが出て充血します。痛みを伴うことが多いので鑑別でます。治療は抗菌剤の点眼や内服、場合によっては切開手術を施行する。下記の時には注意してください。

  1. 繰り返して起こるまたはたくさん大きなものが出来る時には、細菌に対する抵抗力が落ちている、例えば糖尿病や白血病などの血液疾患が隠れている可能性があるので内科医と相談も必要となります。
  2. 瞼の縁に塊が出来やすい時には、血液の脂肪分(コレステロールや中性脂肪)が多い事も有るので内科受診をおすすめします。
  3. しこりが大きくなる、なかなか治らない、表面が凸凹している、あまり痛くない時には頻度は少ないものの瞼の癌という事もあります。放置せずに眼科医に相談してください。

5.ヘルペス性眼瞼炎

眼球結膜が充血し、ごろごろした異物感を感じる。目やにが出る事もある。瞼の縁に赤いブツブツが並んでいて触ると痛みがあります。瞼から顔面に広がる事も稀にあるので注意してください。